今日は買い方の話から少し離れて、世界のiPhone価格の雑学を。まずクイズです。日本のiPhoneって、世界と比べて高いと思いますか? 安いと思いますか?
答えは——日本は世界でいちばん安い部類。ある調査(MM総研)では、39の国・地域のうち2番目に安い国でした。ところが面白いのはここから。いちばん安く買える国なのに、いちばん”買いにくい”国のひとつでもあるんです。この矛盾を、iPhone歴17年の僕(れん)が、へぇと言いながら読める形で整理します(※順位は7/18の値上げ”前”の調査)。
世界のiPhone価格ランキング|日本は2番目に安かった

使うのは、世界39の国・地域で同じiPhone 17がいくらで売られているか、その時の為替で円換算して比べた調査(※値上げ前・為替換算値なので変動します)。売れ筋のiPhone 17(無印)で見てみます。
| 国・地域 | 価格 | メモ |
|---|---|---|
| 🇨🇳 中国 | 124,157円 | いちばん安い |
| 🇯🇵 日本 | 129,800円 | 2番目に安い(※値上げ前) |
| 🇺🇸 米国・🇭🇰 香港・🇰🇷 韓国 | 安いグループ | 豪・UAEなども |
| 🇧🇷 ブラジル | 高い | iPhoneは高級品 |
| 🇹🇷 トルコ | 278,534円 | 最高・日本の約2.2倍 |
※MM総研の調査(ある調査による)。7/18の値上げ前・為替換算値なので変動します。
いちばん高いトルコは27万8,534円=日本の約2.2倍。同じ製品・同じ性能なのに、住む国が違うだけで値段が2倍以上。日本で1台買うお金で、トルコの人は半分しか買えない——同じ箱を開けて同じ画面が光るのに、です。
なぜ国で2倍も違う?|税金・関税・為替・インフレの4理由

- ① 税金:消費税・付加価値税。日本は10%だが、欧州などは20%前後の国も。値札に乗ってくる
- ② 関税:自国産業を守るため輸入品に高い関税をかける国が。トルコ・ブラジルが高いのはこれが大きい
- ③ 為替:Appleはドル基準で価格を調整。通貨が安くなると現地価格は上がる=今の日本で起きていること
- ④ インフレ:物価が上がり続ける国は通貨の価値が下がる。トルコはこれで輸入品が高騰
Appleが国ごとに気分で値段を変えているのではなく、その国のルールと通貨事情でそうなる。むしろAppleは世界で”なるべく同じ価値”になるよう調整していて、円が安くなれば日本の値段は上げざるをえない。今回の値上げもその流れの中にあります。
安いのに”買いにくい”|iPhone指数で見る日本の本当の位置

同じ調査にもう一つ面白い指標が。その国の平均収入に対して、iPhoneの値段がどれくらいの割合を占めるか——いわば「iPhone指数」。値段そのものでなく”その人にとってどれくらい重い買い物か”を見る考え方です。
| 国・地域 | 指数 | 一言 |
|---|---|---|
| 🇸🇬 シンガポール | 0.77% | いちばん買いやすい |
| 🇨🇭 スイス | 0.90% | |
| 🇦🇪 UAE | 1.00% | |
| 🇺🇸 米国 | 1.12% | ほぼ横ばい(給料も上昇) |
| 🇯🇵 日本 | 2.74% | 買いやすさ24番目(安いのに買いにくい) |
※iPhone 5s時の日本は1.82%→最新2.74%に上昇。値段は安いのに、収入比では重い買い物に。
日本はiPhone 5s時代の1.82%→最新世代で2.74%に上昇。一方アメリカは1.04%→1.12%とほぼ横ばい(値段は上がっても給料も上がっているから)。値段は日本のほうが安いのに、日本人にとってはどんどん買いにくくなっている。収入から見た買いやすさで並べると日本は39か国中24番目。値段の安さは2番目なのに、買いやすさは真ん中より下。これが日本のいまの立ち位置です。「iPhoneが高く感じる」のは気のせいでも贅沢でもなく、実際に重くなっているんです。
値上げで日本の立場はどう変わる?

7月18日の改定で、iPhone 17は129,800円→142,800円に。さっきのランキングは値上げ”前”の数字なので、この値上げ分で日本の順位は確実に下がります(何番かは他国の値段と為替次第で断定できませんが、少なくとも「2番目に安い」ではなくなったはず)。iPhone指数も、値段が上がって給料が変わらなければさらに上昇=買いにくさは増しています。
ただ、これは悲観するための話ではありません。世界の中での自分の位置を知っておくと、変な情報に振り回されなくなる。「日本だけぼったくられてる」みたいな話も聞きますが、数字を見ればそうではないと分かりますよね。
「安い国で買えば?」海外購入をおすすめしない理由

- ① 修理と保証:Apple保証は基本世界で受けられるが、モデルによっては買った国でしか対応不可の場合が。故障時に日本で直せないと困る
- ② 電波の認証(技適):日本で電波を使うには技適が必要。海外モデルには付いていないものがある
- ③ 仕様の違い:対応電波が違い、日本で電波のつかみが悪い・一部機能が使えないことも
- ④ 差額が小さい:安い国と日本の差は数千〜1万円ちょっと。渡航費やリスクに見合わない
というわけで、旅行先でどうしても必要になった等を除けば、基本は日本で買うのがいい、というのが僕の結論です(違法というわけではありません・念のため)。
世界のiPhone 豆知識|シャッター音・eSIM・USB-C・税込/税抜

- 📸 シャッター音:日本のiPhoneは撮影音が鳴り、消せない。これは日本・韓国など一部の国だけの仕様(盗撮防止でメーカーが自主的に)。海外モデルは消せる国が多い
- 📱 SIM:日本版は前世代からeSIMのみ。国によってはまだ物理SIM対応モデルも。同じiPhoneでも国で中身が違う
- 🎨 色・容量:国により売られる色や容量が微妙に違う。旅行先のAppleストアは意外と楽しい
- 🔌 USB-C:数年前からiPhoneの充電口は世界共通のUSB-Cに。実はヨーロッパの「充電口を統一しなさい」というルールがきっかけ。あなたの充電ケーブルはEUのルールがめぐって決めたもの
- 🧾 税込/税抜:日本の値札は税込、アメリカは税抜。米国でiPhoneを買うとレジで表示より高く請求されて驚く日本人が多い
まとめ|世界と比べるより「あなたの身の丈」で

- 日本のiPhoneは値上げ前で世界2番目に安い水準・最高トルコとは2.2倍差。理由は税金/関税/為替/インフレの4つ
- でも収入から見た買いやすさは24番目。安いのに買いにくい。先週の値上げで両方さらに厳しく
- 海外購入は保証・技適・差額の小ささから基本おすすめしない
そのうえで言いたいのは——世界と比べて高いか安いかより、大事なのはあなたの財布にとってどうか。世界2位の安さでも、あなたにとって重いなら高い買い物です。他の国と比べて安心するより、自分の身の丈で決めてください。ちなみに、本体価格に一喜一憂するより毎月の通信費を見直すほうが、家計インパクトは大きいこともありますよ。
