【iPhone 18 Pro チップ編】A20 Pro 2ナノで何が変わる?歴代チップ史から丸ごと解剖|部品解剖シリーズ第2弾

iPhone 18 Pro チップ編 A20 Pro 2ナノで何が変わる 歴代チップ史から丸ごと解剖 部品解剖シリーズ第2弾

昨日から始まったiPhone 18 Proを部品ごとに丸ごと解剖するシリーズ。今日はその第2弾、チップ編です。

9月に出ると噂のiPhone 18 Proに載るA20 Pro。「TSMCの2ナノメートル、プロセス初搭載」と言われても、正直、何がすごいのか分からないですよね。今のA19 Proが3ナノで、新しいのが2ナノ。数字が1つ小さくなっただけ、って感じる人も多いはず。でも、この「1ナノメートルの差」が、電池持ち・処理速度・AI機能の全部に効いてくるんです。今日は「そもそもチップって何?」から、歴代iPhoneチップの進化、A20 Proで何が変わるのかまで、iPhone歴17年の僕(れん)が身近な例えで丸ごと解剖します。(※18 Proの話はすべて現時点のリーク・予想です。Appleはまだ正式発表していません。)

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目次

そもそもチップって何?=スマホの”脳みそ”

チップの中の4担当 CPU考える GPU絵を描く Neural Engine AI ISP写真
チップの中には4つの担当(CPU/GPU/Neural Engine/ISP)が住んでいる

iPhoneの中身を分解すると色々な部品が入っていますが、その中で「スマホの脳みそ」にあたるのがAシリーズのチップです。目で見た情報、耳で聞いた音、指で触った感覚——これを全部まとめて処理して次の動作を決める、体でいう「脳」そのもの。このチップの中には、大きく4つの担当が住んでいます。

  • CPU:考える担当
  • GPU:絵を描く担当
  • Neural Engine:AIを動かす担当
  • ISP(画像処理):写真を作り込む担当

この4人がチームで働いて、iPhoneのあらゆる動作を支えています。

トランジスタ=電気のスイッチ|爪の中に約200億個

爪より小さいチップに約200億個のトランジスタ 日本の人口の100倍以上
爪より小さいチップに約200億個のトランジスタ(日本の人口の100倍以上)

チップの大きさは、爪の先くらい。その小指の爪より小さいスペースに、約200億個のトランジスタ(電気のスイッチ)が詰め込まれています。200億——日本の人口が約1億2千万人ですから、その100倍以上のスイッチが爪の中にある、という規模感です。

このトランジスタ1個1個が「オン」と「オフ」を切り替えて、電気を通したり遮ったり。この組み合わせで、動画再生も写真撮影もゲームも全部動いています。だからスイッチの数が多いほど、処理できる情報が増えてチップは強くなる。「より多くのトランジスタを、より小さな面積に詰め込む」——これが半導体技術のほぼ全て、と言っていいくらいの話です。

歴代Aシリーズ16年史|45ナノ→2ナノへ細くし続けた歴史

歴代Aシリーズのプロセス 45ナノから3ナノへ細くし続けた歴史
歴代Aシリーズ:45ナノ→28→10→7→5→3ナノと細くし続けた16年

歴代iPhoneのチップがどう進化してきたか、ざっと振り返ります。キーワードは「プロセスがどんどん細くなる」。

  • 2010 A4(iPhone 4):45ナノ。Apple自社設計の記念すべき1発目(それ以前はサムスンの汎用チップ)
  • 2013 A7(iPhone 5s):28ナノ。モバイル世界初の64ビット。荷台が軽トラ→10トントラックになった衝撃
  • 2017 A11(iPhone 8/X):10ナノ。Neural Engine初搭載。AI専用の部屋がチップ内にできた
  • 2018 A12(iPhone XS):TSMC 7ナノ初搭載。iPhone 7のA10からTSMC一本に絞られ、以来ずっと蜜月
  • 2020 A14(iPhone 12):TSMC 5ナノ世界初。重い動画編集やAI処理もサクサクに
  • 2023 A17 Pro(iPhone 15 Pro):TSMC 3ナノ世界初。名前に「Pro」が付き、標準iPhoneと差別化
  • 2025 A19 Pro(iPhone 17 Pro):TSMC 3ナノ改良版(N3P)。3ナノで3代目

45ナノから3ナノまで、同じチップ面積により多くのトランジスタを詰め込み続けてきた16年。そして次が、いよいよ2ナノです。

A20 Proでついに2ナノ時代へ(クオ氏リーク)+新技術WMCM

A20 ProはTSMC 2ナノ N2初搭載 クオ氏やDigiTimesのリーク
A20 ProはTSMC 2ナノ(N2)初搭載の噂(クオ氏・DigiTimes=確度高リーク・未発表)

18 Proに載るA20 Proで、ついに2ナノメートル(TSMC N2プロセス)初搭載が来ると噂されています。3ナノで3年連続だったAppleが、久しぶりの大型世代交代。情報源はAppleリーク界でトップクラスの実績を持つクオ氏やDigiTimesで、2024年後半から複数回報じている確度の高いリークです(ただしApple未発表=確定ではありません)。

もう一つ話題なのがWMCMという新しいパッケージング技術(クオ氏リーク)。例えるなら「マンションの部屋の作り方を変えた」感じ。今までCPU・GPU・メモリはそれぞれ別のマンションに住んでいましたが、WMCMは1つのマンションの隣同士の部屋にまとめる。廊下を通らず隣にすぐ行けるので、部品同士の会話が超速くなる。今のスマホはCPUがメモリから情報を取り出すのに地味に待ち時間がありますが、これが減るので、体感の速さが数字以上に上がる可能性があります。

なぜ2ナノがすごい?|”車線の幅”と”部屋の仕切り”で理解

2ナノは車線の幅を細くするようなもの 同じ面積に多くの車線を通せる
2ナノ=車線の幅を細くするイメージ。同じ面積に多くの車線(トランジスタ)を通せる

3ナノでも十分速いのに、なぜAppleは何兆円もかけて2ナノを確保しにいくのか。いちばん分かりやすい例えは「道路の車線の幅」です。3ナノは車線1本が3メートル、2ナノは2メートル。同じ道路面積(=同じチップ面積)に線を細く引けるほど、多くの車線を通せる。「同じ広さの部屋を、細い柱で仕切るほど多くの人が入れる」のと同じで、線が細いほどトランジスタを多く詰め込めます。

効果は大きく2つ。この2つは別々の話なので分けて覚えてください。

  • 密度アップ:3ナノ→2ナノでトランジスタ密度が約15%(1.15倍)上がる(TSMCの技術発表)
  • 省電力:それとは別に、同じ性能なら電気を約3割減らせる。電気の道が細いほど「漏れる電気」も減る(細いストローで吸うイメージ)

この密度アップと省電力が、性能と電池持ちアップの理屈です。チップ全体ではA19 Pro比で性能+15%/消費電力-30%が予想の主流ですが、これはあくまで予想(実機ベンチ未測)。チップの消費電力はiPhone全体の電池消費で大きな割合を占めるので、-30%なら「あれ、今日まだ電池残ってる」と感じる場面が増えるはずです。

日常で何が変わる?|AI・ゲーム・動画編集(日常使いは差小)

性能プラス15パーセントが効くのはAI処理 ゲーム 動画編集
性能+15%が効くのはAI処理・重いゲーム・動画編集(日常使いは差が小さい)

性能+15%が、日常で何に効くのか。恩恵が大きいのはこの3つです。

  • AI処理(Apple Intelligence):文章の要約、画像生成、Siriの高度な応答が体感でハッキリ速くなる可能性
  • 重い3Dゲーム:原神などでフレームレートが安定。カクつきが減り、長時間でも熱くなりにくい
  • 動画編集:今のA19 Proで30秒かかる4K書き出しが25秒くらいに。毎日使う人には大きな差

逆に、SNSを見る・写真を撮る・動画を視聴する程度の日常使いなら、正直A17 Pro以降のどれでもヌルヌル快適。A20 Proの真価が出るのは、AIを本気で使う人・重いゲームをする人・動画編集をする人に絞られます。

豆知識|TSMCという巨人・チップ原価は約2割=値上げの一因

A19 Proのチップ代は約90ドル iPhone部品原価の約2割 値上げの一因
A19 Proのチップ代は約90ドル=iPhone部品原価の約2割。2ナノでさらに上がる(値上げの一因)

TSMCは半導体の受託製造で世界シェア圧倒的トップ。最先端の3ナノ・2ナノは、ざっくり90%以上をTSMCが作っています。Apple・NVIDIA・AMD・Qualcommもみんなお願いしていて、世界のハイテクは実質TSMCがいないと成り立たないレベル。そしてAppleはTSMCの一番大きなお客さんで、新プロセスの初回生産を独占。だからA20 Proの2ナノも、まずAppleが第1顧客として手に入れ、QualcommやMediaTekが同じ2ナノを使えるのは1年ほど後になります。

原価の話も。分解調査の推定で、A19 Proのチップ代は1個あたり約90ドル。iPhone 17 Pro Maxの部品原価全体が約408〜420ドルなので、チップだけで約2割——カメラと並んでiPhoneでいちばんお金がかかる部品のひとつです。2ナノに切り替わるとチップ代はさらに上がり、A20はA19の1.8倍近くになるというリーク試算も。9月の値上げの一因でもあります。ちなみに半導体は物理の限界に近づいていて、シリコン原子1個が約0.2ナノ、今の2ナノは原子10個分くらいの太さ。1.4ナノが2028年、1ナノが2029年あたり、というのが業界ロードマップです。

【チップ目線】買い替え判定+まとめ

チップ目線の買い替え判定 遅いと感じる場面があるかがポイント
チップ目線の買い替え判定:今「遅い」と感じる場面があるかがポイント

チップ目当ての買い替え判断は、シンプルにこれだけ。「今のスマホで、AI・ゲーム・動画編集の動作が遅いと感じることがあるか」

  • AIを毎日使い倒す人・重いゲームをする人・動画編集をする人 → A20 Pro、待つ価値あり。+15%の性能がこういう使い方でこそ生きます
  • 遅いと感じない・日常使いメインの人 → A20 Proに乗り換えても体感差は意外と小さい。急ぐ必要なし
  • iPhone 11・12で「遅いなあ」と感じている人 → A20 Proを待たなくても、今の17 Pro / Pro Maxで速さが桁違いに変わります(7/4の「買い時」記事参照)

まとめると、A20 ProはTSMC 2ナノ初搭載で、3ナノ3年の時代が久しぶりの大型世代交代を迎える瞬間。性能+15%/省電力-30%が予想の主流で、WMCMで体感の速さが数字以上に伸びる可能性も。ただし全部まだリーク・予想で、答え合わせは9月の発表会です。「遅い」と感じる場面がある人だけA20 Proを狙う——それがいちばん損しない判断です。次回は部品解剖シリーズ第3弾・ディスプレイ編。有機ELやProMotionを、また身近な例えで解剖します。

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部品解剖シリーズ第3弾は「ディスプレイ編」。有機EL・ProMotionを身近な例えで解剖します。
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この記事を書いた人

iPhone専門ブログ「reniphone.com」運営。iPhone歴3GSから17年・iPhone7台所有のマニア。家族3人でドコモ→ワイモバ&楽天モバイル乗り換えで年間25万円の通信費削減を実現。TikTok @ren_works(フォロワー約7.3万人)/ YouTube れん|iPhone先生(登録者約2.2万人)。

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