今日から新シリーズ、iPhone 18 Proを部品ごとに丸ごと解剖していきます。第1弾は、カメラ編。
先に正直な感想を言うと、9月に出ると噂の18 Proのカメラは「一眼カメラ、いよいよ本当にいらなくなるかも」というレベルです。何十万もするあの大きなカメラの技術が、ポケットのスマホに入ってくる。その主役が「可変絞り」という新機能。でも「可変絞り」って言われても「何それ?」ってなりますよね。だから今日は、そもそもカメラの絞りって何?というところから、歴代iPhoneがどう進化してきたか、18 Proで何が変わるのかまで、ぜんぶ身近な例えでわかりやすく解剖します。iPhone歴17年の僕(れん)が、最後に「あなたは18 Proを買うべきか、今の機種で十分か」までハッキリ判定します。(※今日話す18 Proの機能は、すべて現時点のリーク・噂です。Appleはまだ正式発表していません。)

そもそも「絞り」って何?=レンズの”穴の大きさ”(目の瞳孔と同じ)

まず「絞り」から。カメラ用語で難しそうに聞こえますが、正体は超シンプルです。絞り=レンズが光を取り込む「穴の大きさ」。ただそれだけ。レンズの中に光が通る穴があって、その穴を大きくしたり小さくしたりする仕組みです。
これ、じつは皆さんの体にもまったく同じ仕組みがあります。目の「瞳孔」です。明るいところに出ると瞳孔はキュッと縮む(まぶしい光を入れすぎないため)。逆に暗い部屋では大きく開く(少ない光をできるだけ集めるため)。カメラの絞りもこれと同じで、穴を大きく開ければ暗いところでも明るく撮れる/穴を絞ればまぶしい場所でも白飛びしない。目の瞳孔がレンズの中に入っている、とイメージしてください。
F値のワナ|数字が小さいほど”穴は大きい”

ここでよく出てくるのが「F値」という数字。F1.5とかF2.8とか。ちょっとだけ注意が必要で、数字が小さいほど、穴は大きく開きます。F1.5は穴が大きい、F2.8は穴が小さい。感覚と逆なので、ここだけ覚えておいてください。
今までのiPhoneは「瞳孔が動かない目」だった

さあ、ここからが今日の核心。じつは今までのiPhoneのレンズは、この穴の大きさが「固定」でした。ずっと動かなかったんです。例えるなら、瞳孔が動かない目。明るいところでも暗いところでも穴の大きさが同じ。だから明るさの調整を、レンズじゃなくてソフトウェア(計算の力)でごまかしてきたんです。
もちろんiPhoneの計算はすごく優秀なので、けっこうキレイに撮れます。でも、しょせんは後からの計算。撮ったあとで明るさをいじって整えているだけで、レンズがその場で物理的に光の量を変えられるのには、やっぱりかなわない。料理でいうと、味付けを間違えた料理をあとから調味料でごまかすのと、最初から火加減を完璧にするのと、どっちがおいしいか、という話ですね。
18 Proでついに「瞳孔が動く本物の目」に|可変絞りF1.5〜F2.8

そして18 Proでは、この穴が物理的に開いたり閉じたりするようになります。リークによるとF1.5からF2.8の範囲で自由に変わる。これが可変絞り(バリアブル・アパチャー)です。つまり、iPhoneのカメラがやっと「瞳孔が動く、本物の目」を手に入れるわけです。
- 暗い居酒屋やバー:F1.5まで穴を全開にして少ない光をたっぷり集める → フラッシュなしでも明るくキレイに
- 昼間の風景や集合写真:F2.8に絞って、手前から奥まで全体にピントを合わせる
- 背景のボケ:ソフトの”なんちゃってボケ”じゃなく、レンズが物理的に作る本物のボケを自分でコントロール
これはApple情報でいちばん実績のあるクオ氏が2024年12月から報じている確度の高いリーク(🟢)で、両方のProモデルのメインカメラに載ると言われています。望遠カメラも「絞りを大きくして暗所の望遠をキレイにするテスト中」という噂がありますが、こっちは中国SNS発のリーク(🟡)で確度は落ちます。「2億画素のすごいペリスコープが来る」という派手な噂も、2028年以降=18には載らないという見方が有力。ここは期待しすぎないでおきましょう。
歴代iPhoneカメラ史19年|”写ルンです以下”から本物の目まで

ここまでの歩みを振り返ると、可変絞りがどれだけ大きな一歩か、もっとハッキリわかります。
- 2007 初代:200万画素・固定焦点・オートフォーカスすらなし。当時「写ルンです以下」と言われることも
- 2009 3GS:300万画素・オートフォーカス搭載・動画も初対応
- 2010 iPhone 4:500万画素・LEDフラッシュ・裏面照射型で夜がマシに
- 2011 4s:800万画素・フルHD動画。「コンデジいらないかも」の声
- 2015 6s:1200万画素・4K・Live Photos。※画素はここから長く1200万で止まる=「数より質」の時代へ
- 2016 7 Plus:初のデュアルカメラ・ポートレートモード(当時はソフトの”なんちゃってボケ”)
- 2017 iPhone X:ポートレートライティング(後から照明を当てる)
- 2019 11 Pro:3眼+超広角・ナイトモードで夜が激変
- 2020 12 Pro:LiDAR・ProRAW(”生の食材”のまま渡して後から味付けできる撮り方)
- 2022 14 Pro:48メガピクセル初搭載・センサーも65%大型化
- 2023 15 Pro Max:ペリスコープ望遠(潜望鏡の仕組みで薄いスマホに長い望遠を収める)・光学5倍
- 2024〜2025:16 Proで超広角48メガ、17 Proで望遠48メガと、全レンズが高画質に
固定焦点の200万画素から、ここまで来たんですね。そしてその次の大きな一歩が、18 Proの可変絞りというわけです。
なぜ可変絞りがすごいのか|”画素競争”から「数より質」へ

もう一歩、深いところを。じつはここ数年、スマホのカメラは「画素数競争」に走っていました。画素(ピクセル)は、例えるなら光を受け取る小さなバケツ。このバケツをたくさん並べるほど、画素数の数字は大きくなる。だから各社、数を競っていたんです。
でも、よく考えてください。小さいバケツをぎゅうぎゅうに並べるのと、大きいバケツをゆったり並べるの、雨をたくさん受けられるのはどっち?——当然、大きいバケツですよね。光もこれと同じで、数より一個一個の大きさと質のほうが大事。18 Proの可変絞りは、まさにこの「数より質」の方向転換。画素をむやみに増やすんじゃなく、レンズそのものの実力を上げて、写りそのもので勝負する進化なんです。
豆知識|センサーはソニー製・カメラは”高原価”=値上げの一因

ここで豆知識を2つ。1つ目、iPhoneのカメラのセンサー(光を受け取る心臓部分)は、そのほとんどを日本のソニーが作っています。世界一売れているスマホの目が日本製、というのはちょっと誇らしいですよね。iPhoneのカメラがキレイなのは、Appleの計算力とソニーのセンサーの合わせ技です。
2つ目、カメラモジュールはiPhoneの部品の中でもけっこう原価が高い部分。レンズ・センサー・手ブレ補正が全部詰まっているのでコストがかかる。可変絞りみたいな精密に動く仕組みが増えれば、当然その分、値段にも効いてきます。9月の値上げの一因でもあるわけです。
【カメラ目線】あなたは18 Proを買うべき?4パターン判定

今日いちばん大事な話。カメラ目線で、4つのパターンに分けてハッキリ判定します。自分に当てはまるところを探してください。
- ①暗い居酒屋やバーで、フラッシュなしの写真がうまく撮れないと感じる人 → 9月の18 Pro、待つ価値、大アリ。可変絞りがいちばん活きるシーンです
- ②SNS用・記録用の写真がメインの人 → 今の17 Proで十分すぎるくらいキレイ。可変絞りは正直オーバースペック。急ぐ必要なし
- ③iPhone 11・12を使っていて、今のカメラに不満がある人 → 9月を待たず、7月のうちに17 Pro / Pro Maxに乗り換えた方が体感の差は大きい(7/4の「買い時」記事にもつながる話)
- ④すでに一眼カメラを持っている人 → 18 Proはすごいけど一眼を完全に超えるわけじゃない。日常はiPhone、本気のときは一眼と使い分けるのがベスト
まとめると、今のカメラにハッキリした不満がない人は、今の機種で十分。可変絞りに本気で刺さる人だけ、9月まで待つ。これが僕の答えです。ネットの「今すぐ買え」「絶対買うな」の煽りに流されず、自分が何を撮りたいかで決めてください。
可変絞りは、レンズの穴が瞳孔みたいに動く仕組み。暗いところは明るく、明るいところは白飛びせず、背景のボケも自由自在。歴代iPhoneが画素数競争からレンズの質へと舵を切った、その象徴です。初代の”写ルンです以下”から始まって、19年で「瞳孔が動く本物の目」まで来た——写真好きとしては、たまらない一歩なんです。その一歩が本当に必要かどうかは、あなたの撮りたい写真次第。9月の発表を、一緒に楽しみに待ちましょう。
部品解剖シリーズ第2弾は「チップ編」。2ナノA20 Proを身近な例えで解剖します。
