iPhone 17 Pro Maxは、日本で19万4800円。今やスマホに20万円が当たり前の時代です。でも、ふと思いませんか。「この値段の中身、部品代って実際いくらなの?」と。
結論から言うと、ある調査会社の推定では部品代は売値の半分以下。チップ・画面・カメラを全部足しても、推定でだいたい4万〜6万円くらいと言われています。「えっ、じゃあ残りは全部Appleの儲け?」——そう思った人、ちょっと待ってください。この記事では、1台のiPhoneに何にいくらかかって、最終的にいくら利益が残るのかを冷静に分解します。そして、値上げが噂される18 Proの原価がどこまで上がるのかも。iPhone歴17年の僕(れん)が、煽らず数字でフェアに見ていきます。

iPhoneの「原価」は実際いくら?部品代は売値の半分以下

最初に、すごく大事な前提を3つ。①今日の部品代(原価)はAppleが公表していません。出てくる数字は、専門の調査会社がiPhoneを分解して出した、あくまで推定です。しかも会社や前提でけっこう差が出ます(同じ17 Proでも4万円台〜5万円台後半など)。②18のコストや価格はまだ予想。そして③「部品代を引いた粗利」と「最終的に残る本当の利益」はまったくの別物——ここが今日いちばんの肝です。
その前提で、まず大きな絵を。売値20万円のうち、部品代は推定で4〜6万円台、つまり売値の3分の1〜半分くらい。「じゃあ残りは丸儲け」と言いたくなりますが、そこには大きな落とし穴があります。順番に見ていきましょう。
そもそも「部品原価(BOM)」とは?パスタの食材費と同じ

部品原価は、英語でBOM(ビル・オブ・マテリアルズ)。要は、そのiPhoneを作るのに必要な部品の値段を全部足したものです。チップ、画面、カメラ、メモリ、ストレージ、バッテリー、通信モデム、金属の枠……ひとつひとつに値段があり、その合計がBOM。これがiPhoneの値段の、いちばん土台になる部分です。
ただし注意。これは「部品の代金」だけ。組み立ての人件費も、送料も、開発費も、広告費も入っていません。料理でいうと食材費のようなもの。レストランのパスタが1500円でも材料費は数百円ですよね。でも、その差額が全部お店の儲けかというと違う。家賃も、シェフの給料も、光熱費もある。iPhoneの原価も、まったく同じ構造なんです。
iPhone 17 Pro Maxを分解(推定)|何にいくらかかっている?

調査会社Counterpointの推定をもとに、17 Pro Maxの部品内訳を見ます(すべて推定値)。
| 部品(推定) | おおよその原価 |
|---|---|
| チップ A19 Pro | 約$91(約1.5万円) |
| 5Gモデム | 約$90 |
| カメラモジュール | 約$80 |
| ディスプレイ | 約$80 |
| メモリ(RAM) | 約$22 |
| ストレージ256GB | 約$21 |
| 金属フレーム | 約$21 |
| バッテリー | 約$4 |
| 合計(推定) | 約$408(約6.5万円) |
面白いのは、いちばんお金がかかるのがチップ・モデム・カメラ・画面の4つで、ここで原価の大半。逆に、あれだけ「長持ち」が宣伝されるバッテリーは約$4と、部品としてはいちばん安いくらい。iPhoneの値段は、目立つ電池より、見えない頭脳と画面にかかっている、というわけです。なお「iPhoneの原価は◯円!」という1つの数字をネットで見ても、鵜呑みにしないこと。会社によってどこまで原価に含めるかが違うので、「推定でこのくらいの幅」と捉えるのが正解です。
「じゃあ残りは丸儲け?」——半分正解で半分間違い

「売値20万、部品代6万円台。残りの13万、全部Appleの儲けじゃん」——気持ちはめちゃくちゃ分かります。でも、それは半分正解で半分間違い。なぜなら、その「残り」からこれからまだ、たくさんのお金が引かれていくから(その核心は後半で)。
先にもう1つの疑問に答えます。「じゃあ、なんで18は値上げするって言われてるの?原価そんなに安いのに」。実は、その原価のほうが、今まさに急に上がっているんです。
なぜiPhone 18でコストが上がるのか|メモリが3倍に

ここからはTechInsightsの試算(推定)。最大の犯人がメモリです。17 Proのメモリが推定約$39だったのが、18 Proでは約$145へ。3倍以上。理由は世界的なAIブームで、データセンターがメモリを買い占め、スマホ用が高騰しているから。GoogleやMicrosoftがAI用メモリを猛烈に買い占め、その結果スマホ・PC用まで跳ね上がっている。Appleからしたら完全にとばっちりなんです。
メモリだけじゃありません。ストレージも256GBで約$13→約$51へ(4倍近い)。新カメラは前世代より約50%高くなる見込み(クオ氏)、チップA20 Proは2nm製造でコスト増。結果、部品原価は17 Proの約$582から、18 Proでは約$726へ。日本円で2万円以上、原価そのものが上がる計算(試算)。しかも増分+$144の主犯は、はっきりメモリ(+$106)とストレージ(+$38)です。
そしてこれは”噂”ではありません。2026年6月25日、AppleはすでにMacとiPadを値上げしました(MacBook Pro $300・iPad Pro $200・Mac Studio上位は$1,300)。理由はまさにメモリ高騰。同じメモリを使うPC・タブレットは実際に上がったのに、iPhoneだけずっと据え置き——そんな都合のいい話は考えにくい、というのが現実です。
iPhone 18 Proは最大いくら?|値上げ幅は専門家でも割れる

では、上がった原価が売値にどう跳ね返るのか。ここからは完全に予想・リークです。値上げシナリオでは、WSJやTechInsightsの試算で18 Proは今より$200〜300上がって$1,299〜最大$1,399(日本で21万〜23万円前後)。
一方、控えめ予想も。J.P.モルガンは、Appleが通信モデムを自社製に切り替えるなどでコストを削り、メモリ値上がりの大部分を自分で吸収すると読み、値上げは+$50〜100程度の小幅にとどまる、と見ています。原価が上がっているのは事実ですが、それをどこまで客に乗せるかはAppleの判断次第。Appleには利益という分厚いクッションがあるので、原価が2万円上がっても利益を少し削れば小幅で済む。専門家でもここは割れています。
【核心】「粗利」と「本当の利益」はまったく別物

ここが今日いちばん大事なパート。「部品代が安い=ぼったくり」が、なぜ半分間違いなのか。売値から部品代だけを引くと大きな金額が残ります。これを「粗利」と言いますが、この粗利はAppleの口座にそのまま入るお金ではありません。
ここからまだ、たくさん引かれます。開発費(Appleは年間で何兆円も研究開発に使う。A20のようなチップをゼロから設計するのに何年も何千人も)、広告費、お店の運営費、流通・輸送費、工場の人件費、そして関税・税金。これ全部を粗利から引いていく。
では最終的にいくら残るのか。Appleの決算では、会社全体の営業利益率は約32%、純利益率は約27%。つまり売値のうち最後に利益として残るのは、ざっくり3割くらい。売値$1,099なら、最終利益はざっくり$300前後(会社全体の率を当てた粗い試算で、iPhone単体の正確な数字はAppleしか知りません)。ポイントは、「部品代6万円、売値20万、だから14万丸儲け」ではないこと。開発も広告も流通も税金も引かれて、残るのは思ったよりずっと少ない。これがフェアな見方です。もちろん利益率は高く、Appleが世界一儲かる会社のひとつなのは事実。でも「原価が安い=ぼったくり」と単純に決めつけるのは、ちょっと乱暴です。
まとめ|原価ではなく「自分の使い方」で価値を決める

- 17 Pro Maxの部品原価:推定で約4万〜6万、試算によっては9万円台(売値の3分の1〜半分)
- 18 Proの原価:メモリ3倍などで2万円以上上がる見込み($582→$726の試算)
- 18 Proの売値:値上げシナリオで最大23万円前後/JPモルガンの小幅予想(+$50〜100)の可能性も
- 本当の利益:開発・広告・流通・税金を引くと、売値の約3割(営業利益率32%)。「丸儲け」ではない
大事なのは、原価が安いか高いかで損得を決めることではありません。どんな製品も部品代よりずっと高い値段で売られている、それが普通だから。本当に大事なのは、その値段が自分の使い方に見合っているか。20万円のProを使い倒すなら高くない。でもSNSと写真くらいなら、10万円の無印やeで十分すぎる。数字の裏側を知ると、「値上げ!」「ぼったくり!」という言葉に振り回されなくなります。事実を知ることが、いちばんの心の安定剤。冷静に構造を理解して、自分にとっての価値で選ぶ。それがいちばん損しない、かしこい消費者だと思います。

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